第12回ジャパンナレッジ講演会  辞書編集者を悩ませる、日本語⑤「アップデートされることば」レポート

7月26日(水)に国語辞典編集者・神永曉氏を講師に迎え、第12回ジャパンナレッジ講演会「辞書編集者を悩ませる、日本語」第5弾を開催しました。

森友・加計の学園問題、自衛隊の日報問題……国会は閉会中ですが、政治に関するニュースが世間を騒がせています。それと比例して、今年は政界から生まれた注目ワードが大豊作……ということで、今回は「アップデートされることば」と題し、いま注目されている言葉を中心に神永氏が解説しました。

●「忸怩(じくじ)」──「忸怩たる思い」という使い方が国会で流行。本来の意味は「自分を恥ずかしいと思うさま」なのに、国会では「他人に対して残念に思う」という意味で用いられている。

●「云々(うんぬん)」──安倍首相が「でんでん」と読み間違い。「伝」からの類推と考えられる。

●「ぶっちゃけ」──「ぶちあける」の俗語「ぶっちゃける」の副詞。2003年のドラマで市民権を得た言葉。2007年から国会でも使い始められ、目上だろうと思える人にも使っている。

●「忖度(そんたく)」──中国の『詩経』にみられる古い言葉だが、現在の国語辞典でも「相手の気持ちを推し量る」としか出ておらず、「推し量って“配慮する”」までの意味はない。

国会会議録検索システムを使って、議員が発した話題の日本語をチェック。編集を担当した『日本国語大辞典』で言葉の意味を引いてみたり、福沢諭吉や夏目漱石、島崎藤村などの文章を用いたりして、それぞれの言葉が歩んできた道のりを振り返り、神永氏がテンポよく解説しました。

熱心にメモを取ったり、大きくうなずいたり、ときには笑いがこぼれたり……今を彩る言葉の連発に、会場の皆さんも思わず前のめり。そのほか「ごはんを“よそる”、“よそう”」といった興味深い方言のお話、朝ドラで話題になった「銀ブラ」(銀座でブラジルコーヒーを飲むという間違った語源が使われていた)問題についても説明。

「日本語は私たちにとってとても大事なもの、愛情をもって使ってほしい」と神永氏。政治家の先生方を笑ってみているけど、果たして我々はどうなのか。日本語を大事にしているだろうか?―― 面白い中にも日本語のことを深く考えさせられた90分でした。

 

 

カテゴリー: 日比谷カレッジ, 講座レポート   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

コメントは受け付けていません。