特別展「江戸からたどるマンガの旅~鳥羽絵・ポンチ・漫画~」関連講座 「漫画300年史と「吹出し」表現の歴史」レポート

日比谷図書文化館では9月17日(土)~11月16日(水)まで、特別展「江戸からたどるマンガの旅~鳥羽絵・ポンチ・漫画~」を開催しています。江戸中期の戯画浮世絵に始まり、昭和初期の漫画雑誌に至るまで、およそ230年のマンガの歴史をたどる特別展です。

漫画300年史と「吹出し」表現の歴史

この特別展に関連して、10月10日(月・祝)に「漫画300年史と「吹出し」表現の歴史」が開催されました。

漫画300年史と「吹出し」表現の歴史

今回の特別展の監修者である漫画・諷刺画史研究家の清水勲氏を講師に迎え、「日本人は何故漫画が好きなのか」、「日本には何故4000人もの漫画家がいるのか」、「「サザエさん」は何故面白いのか」、「赤塚不二夫は漫画史の中で何をしたのか」、「子ども漫画はいつから登場したのか」、「ロシアは何故漫画の中でクマとして描かれるのか」の6つのテーマについて、外国の漫画とも比較しながらお話をいただきました。
清水氏曰く、「日本において漫画が発展してきたのは、人を笑わせる目的のナンセンス漫画が出発点となっていて、それを描き続けてきたから」とのこと。
また、吹出しの歴史については、言語圏による諸外国での吹出しの有無に触れ、日本では漫画漫文などの形式を経て、昭和初期に「コマ+吹出し」の連続漫画という今のスタイルに至ったことを説明されました。

漫画300年史と「吹出し」表現の歴史

最後にまとめとして、日本の各時代で、漫画文化がどのように発展して現在のマンガに繋がっているのかを概観しました。
江戸時代中期には、木版印刷技術の発達によって鳥羽絵を始めとする戯画の大量生産が可能となり、一般大衆も楽しめる娯楽として、日本における漫画の萌芽となりました。
明治のころからは、現代的な意味でのマンガという言葉が使われ始めたそうです。明治末~大正期には北澤楽天を始めとする職業漫画家が登場し、『のらくろ』などの誰でも描きやすいキャラクターの影響もあって昭和期には漫画家人口が増加、昭和20年代には少女コミックなど様々な種類の漫画が描かれるようになりました。そして、この時期に手塚治虫が登場し、ストーリー漫画が隆盛します。
このように、限られた時間ながら、日本漫画がたどってきた歴史の様相を把握できる講座でした。
参加者からは「他にないテーマの講座で、大変興味深かった。」など、好評の声を多くいただき、盛況な講演会となりました。

なお、特別展「江戸からたどるマンガの旅~鳥羽絵・ポンチ・漫画~」の会期は11月16日(水)までとなっています。10月18日(火)からは後期展示に展示替えを行いましたので、前期展示をご覧になった方も再びお楽しみいただけます。ぜひお越しください。

カテゴリー: 日比谷カレッジ, 講座レポート   タグ:   この投稿のパーマリンク

コメントは受け付けていません。